トルコは(と、言うかイスラムの国々全般)只今絶賛断食中です。
断食ってどうやるの?30日間全く食べないの? まーさーかー。 水を三日絶ったら死にます。
断食はイスラム歴の第9の月ラマザン月の30日間 日の出から日の入りまで、一切の飲食を断ちますが 日没後は何を食べても飲んでも大丈夫です。 日中食べられなかった憂さを晴らすように、日没時の断食だけの食事イフタルには 普段よりも沢山のご馳走が並びます。 断食月に太る人がいるくらいです。
夜明け前の腹ごしらえの食事をサウルと言って 夜中に起きて食べます。 今の時期だと大体夜中の3時か4時がリミットになりますので 午前2時くらいに起きて準備して十分な腹ごしらえをします。 その時間に起き損ねないように、夜中に1時ごろからダウウジュと言う太鼓屋さんが 太鼓を叩いて街中を練り歩き皆を起こして廻ります。 この習慣を知らずに断食月にトルコに滞在すると 夜中に遠く近く響き渡る太鼓の音は、相当ホラーでビビると思います。
太鼓屋さんは、大概、ご近所さんの中から失職してしまっていたりして やや困窮してる方が引き受けることになっていて ラマザン月の終わりが近づくと、太鼓屋さんにご祝儀として 住民がお金を渡すことになっていて ある意味近隣の互助システムにもなっています。
ラマザンの意味は 貧しい人々へ心を寄せる、と言う意味と ミュスリマン同志の連帯を感じる意味があると言われています。 個人的には、健康効果も含まれているかと思います。 日中の長い時間を空腹で過ごすことは、どうやら近来の研究でも 相当な細胞の若返り効果があることが確認されています。 また、個人的には、普段何気なく摂取してるカフェインをこの時期は控えるので デカフェのデトックスにもなっています。 もちろん断食明けの食事でチャイを皆さん飲まれますから皆が皆デカフェする訳ではありませんが、私は睡眠時間が分断されて寝不足になりがちなので 眠れるときに眠れるように断食明けてもカフェインは摂らないようにしているので 30日間のデカフェ期間となります。 断食始めの最初の三日はカフェイン中毒離脱症状で酷い頭痛がしますが それを抜けた後のサッパリ具合は中々快感です。
断食は義務ではなく やれる人、やりたい人がやる感じです。 トルコは「なんちゃってミュスリマン」が多い国ですが (お酒飲んだり、豚肉を食べたりする人も結構います) そう言う人でも断食だけは参加する、と言う人も結構います。 周囲のお祭り的な空気に乗って、デトックスが楽しいと言う感覚ではないでしょうか。 (そう言う考えを諫める敬虔な信者もいますが、動機なんて何だっていいじゃないか、と個人的に思います。余計なお世話です。)
前に私が勤めていた会社での今の会社でも大体社員の半分が参加して半分は不参加です。 参加してもしなくても、変なプレッシャーはありません。 参加しない人がランチを社内でとっていても全く気になりませんし 断食してない人は、断食してる人に敬意を表して なるべく目に前で食べたりしない様にする程度です。 お互い敬意があれば、変なストレスは生まれません。
断食は、妊娠中や授乳中、生理中の女性は参加しません。 病気の人や旅行中の人なども参加しないことになっています。 女性はどうしても30日間全日断食出来ないので その借りはあとで返すことが可能です。 夏の断食は日が長くてカッパドキアでも一番長かった時期は 18時間飲食が出来ませんでしたが、冬にその借りを返すとすると 大体朝8時過ぎから夕方午後4時ごろに終わってしまうので なんだかただ昼抜いただけ、みたいになって、肩透かしな感じです。
イスラム歴は通常のカレンダーよりも一年が10日ほどズレているので イスラムの祭礼に期日は毎年10日くらいずつ前へズレていきます。 ですので、こらからは断食もどんどん涼しい時期、日の短い時期になっていきますので なんだか楽勝な気がします。(外で働いている方はいずれの時期も厳しいとは思いますが) 真夏の断食は喉の渇きが酷くて、更に、夏の時期はどうしても庭の作業なども多く 時にサルチャを一日中炎天下で野外で火を焚いて煮詰めていく、なーんて日もあったので 断食が「修行!」と言う雰囲気がありました。 断食明けのイフタルのテーブルで、最初に飲む水のなんて美味しかったこと! あの甘露を味わえただけで、生まれてきた意味を知れた、と 大げさではなくそう思ってました。カラカラに乾いた体に最初の一口の水が 全身に行き渡っていく感覚、身体じゅうの毛穴から汗が噴き出してくる音が聞こえてくる感覚。もう、あの感覚はないので、ちょっと物足りない思いがするほどです。 人間はいつだってない物ねだり。
断食中はイフタルの食事に友人知人を招待し合って
食事を共にします。
今年は、私が住むユルギュップと言う町では、市が無料でイフタルの食事をふるまって
期間中、ずっと毎晩ステージで様々な催しものやコンサート子供向けの演劇などが上演され
会場の中には夜店が出て、お祭り気分を盛り上げてます。
私もラマザン二日目に参加しようとしたら、時間ギリギリに行ったら満席で食事にはありつけませんでした。
まだ何週間かありますので、一度は参加してみたいと思います。
このお食事は誰でも召し上がれますので、断食してる人もしてない人も
そして旅行者も!
ラマザンの時期にトルコ旅行にいらっしゃる方は、こう言う催しに参加してみるのも楽しいですね。
ラマザンや犠牲祭の時期にトルコ旅行をするのは 宗教的な背景を知っていると、とっても楽しく有意義に過ごせますので どうか、そんな「だからこそ」の旅に価値を感じてくださるのなら Lotis Blue Travelにお申込みくださいね。お待ちしております。 因みに犠牲祭は8月の11-12-13-14日! わーを!めちゃめちゃ混む時期ですね。 早め早めに動きましょう!
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