
先日、ギュゼルユルトと言う町で
興味と趣味が高じて素晴らしいワイナリーになった
ゲリヴェリワイナリーのお話を書きました。 https://www.cappadociastories.com/blog/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%82%BD%E3%82%B9%E3%81%AE%E7%A5%AD%E5%85%B8
最初は自分たちが楽しむためにワインの醸造を始めたものの
高じて大評判のワイナリーにまで発展したウドさんとハジェルさん。
元からトルコの大地アナドルはワイン発祥の地と言われています。
上質な葡萄から作られるワインは歴史とこの土地のパワーを包み込んで
唯一無二のワインが生産され続けています。
有名なワイナリーも沢山あり、トルコ全土、海を越えて海外でも大きな評価を得ています。
日本に輸出されているワインも多くあります。
葡萄の生産者、「生産者」と言う言葉のニュアンスに上手くはまらない
市井の葡萄とともに生きてる方々も
(庭やテラスの葡萄棚は夏恰好の日よけになりますので、カッパドキアのほとんどの家で葡萄を栽培しているのです。)
葡萄から作られるペクメズ(葡萄ペースト)や葡萄酢などは自家製がスタンダードです。 当然ですが(当然ですか?)ワインを自家製で作る方も沢山います。
ある程度の量を超えて作る場合やビジネスとして醸造する場合は政府の許可を取って納税して醸造する必要があります。
が、
趣味と実益を兼ねて仲間内で楽しみ範囲で作られるワインは自由です。
長年培った葡萄との暮らしの中で
代々受け継がれた技術とともに
とんでもなく美味しいワインを作っちゃう市井のワイン杜氏が沢山いらっしゃいます。
そう言う方の噂はワイン好きの好事家の方の間で耳から耳へと静かに伝わってきます。
超有名レストランのソムリエや、ワイン貯蔵の雄と言われている様なホテルの専門家たちも
カッパドキアのワイン雀の噂話には敏感で、小さな個人醸造者のお宅にも足繁く通っていらっしゃる由。そんなお話を製造者さん達から伺うにつけ
世のワイン好きな方々の執念とも言える美味しいワインの探索活動に
驚きと敬意を感じる次第です。
俄かにワイン雀仲間に首を突っ込んでみるにつけ
なんて、面白い、なんて、愉快な方々が楽しそうに
チュンチュンと情報交換をしてることでしょう。
カッパドキアの田舎の魅力を改めて認識出来ました。
Lotis Blue Travelとして、現地で日本人のお客様に
ここでしか飲めない、そんな秘蔵ワインを愉しんで貰えないかしら、と
カッパドキアのワイン雀の皆様に打診してみたところ
もちろん、商売にする訳にはいかないものの
元から日本人大好き国民のトルコの方々ですから
わざわざカッパドキアまでワインが好きで来るなんて(そう言う事にしてあります)
僕の自慢のワインの味見をして貰えるなんて光栄だよ、と言ってくださったりします。
中には、外部の方にお分けするほどの量が残ってないんだよ、と残念そうにおっしゃる方もいらっします。そんな方も秋には次のシーズンの仕込みが終わるから、それを飲みに来なよ、と言ってくれたりします。
ほんと、日本人で良かった。
ワイン雀のお一人、地元中学校で化学の先生をしているメフメトさんが「とっておき」の地元秘蔵ワイン杜氏さんを紹介してくれました。
Lotis Blue Travel大人の遠足オルタヒサール編
オルタヒサールと言う村の旧い住宅が残る地域にその方のお宅があるんだと言います。 今回のワイン杜氏アフメットさんのご都合を伺ってメフメトさんと訪問してみました。 自宅で自分の庭で採れた葡萄から(なんとワインの為に10種もの多種類の葡萄を栽培してるそうです)作ったワイン。 お店があるわけでもなく、通されたのはその昔アフメットさんが寝起きしていたと言う子供部屋、今は自家製ワインの瓶詰部屋兼味見部屋になってるそうです。
我々もそこに入ってアフメットさん自慢のワインの味見をさせて貰いました。 最初に注いでくれた白ワインが、絶品で。 シュワシュワと甘くフルーティな口当たりなのに、奥にちょっぴり塩気のある野性味が隠れていて、おつまみなしで幾らでも飲めてしまいそうです。
そのあとに2種類の赤を試させて貰いましたが どちらも、これが赤、と言う正統派で律儀でそれでいてどっしりとした存在感があります。 わざわざ、10種の欧州系の葡萄を集めて醸造した赤とのことで 葡萄収穫段階から、この出来上がりをデザインしていたんだよ、とおっしゃる。
アフメットさんは大学で政治学を専攻していたインテリでお仕事も別にあるのですが この田舎の村で自分で目指すワインの味探求は手放すことなく 地道に続けてきたとのこと。 アフメットさんの噂を聞きつけて、某有名ソムリエもお宅までいらっしゃったそうですが どこかのレストランやホテルに納入する、と言うことは、その時点でビジネスと言うことになってしまいますので、酒税法や様々な国の制度に沿わねばならず そんな面倒を(費用を掛けてまで)することじゃない、と思ったので お申し出は名誉に思いつつお断りしたとのこと。
ワイン好きな人と自由に愉しむ範囲以上の事はいらないんだよ、と。
アフメットさんのお宅の庭でオルタヒサール砦の眺めながら 立ったままグラスを傾けつつ、アフメットさんやメフメトさんら生粋のカッパドキアワイン雀の噂話に耳を傾けます。 美味しいワインを貯蔵してるレストランオーナーの話や ヘッドハンティングされた腕の良いシェフの行方や アフメットさんの様に個人で醸造されている他の好事家の消息や今年の出来や カッパドキアワインの評価を誰が一番神髄を理解してるのか 次から次へと話題が上がってきて、時間があっと言う間に経ってしまいます。
トルコの田舎にあっても、こう言うトルコの良さを集めた様な空気に触れることが出来て なかなか楽しい気分にさせてくれる世界です。 ワインの馥郁とした香りだけではない豊かさを、日本からの特別なお客様と一緒に愉しめたらな、と我々の夢も膨らんでゆきます。
来月上旬から30日間トルコは断食月に入ります。 流石にワイン探訪はその時期お休みして情報収集に止めますが 6月からまた、秘蔵ワインブログの記事を更新していきたいと思います。 人伝でしか味わう事の出来ないここだけのワイン 内緒でご案内しますからね。 楽しみにしていてください。 #トルコ#トルコローカルワイン#カッパドキア#オーダーメードの旅#個人旅行 #lotisbluetravel #touchtheearth#Wine#Localwine#旅好きな人と繋がりたい#トルコ旅行
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